きのこの簡易乾燥機
「きのこをよい状態で持ち帰る」の「積極的に乾燥させてしまう」という項目で、きのこの乾燥機のことに触れましたが、ここで具体的に私たちが使っている簡易乾燥機を紹介しておきたいと思います。
ただいまきのこ乾燥中
宿泊先や自宅で、持ち帰ったきのこを乾燥しているときの様子です。縦横高さの寸法は45cm×26cm×21cmで、ダンボール製のミカン箱に近い寸法です。この中に25cm×20cmサイズの餅網が2枚と小型温風器が入っています。小型温風器の替わりに布団乾燥機を使うこともあります。
きのこは2段になった餅網の上にそのまま載せたり、小さなものは採集袋に入れたままの状態で餅網の上に載せます。天井は吹き抜けなので、新聞紙の置き方をずらなどして熱風調整をしています。装置全体の重さは4kg弱です。といってもこれでは中の様子が何もわかりませんね。
前面を開いてみると
ベルトで留めてあるので前面を開いてみましょう。中は熱効率が良いようにアルミ箔を張ってあります。そして、餅網を2段に重ねて、下には小型温風器を横倒しの状態で置いてあります。さらに温風器が床に直接ふれないように、下に小さなキャスターを敷いて隙間を作ってあります。隠れて見えませんが、外枠の下部には布団乾燥機を使うときのための穴があります。
きのこの種類にもよりますが、弱風で数時間乾燥したり、強風に1時間ほどさらして一気に乾燥させたりします。宿泊先などでは就寝前に弱風スイッチオンの状態にして、朝まで放置します。起床時にはちょうどよい状態になっているというあんばいです。
餅網と小型温風器とキャスター
現在使っている小型温風器は1997年日立製のトレポカという製品ですが、600Wの比較的小型軽量のものです。取扱説明書の仕様では、幅19cm×高さ25.8cm×奥行13.3cmで約1.3kgとあります。
上部空間を広くとるため、温風器を横倒しにして使っていますが、本来立てて使うものなので底面に転倒OFFスイッチがついています。横倒しにすると自動的にOFFになってしまいます。そこで、外枠をこの温風器ドンピシャのサイズにすることによって常時ON状態をつくっています。きのこを網に載せたまま外枠を引き上げると自動的にOFFになるという仕掛けです。
温風器の後面は壁などから一定距離を必ず離す必要があります。現実には寝かせて使っているので、底面から一定距離あけなくてはなりません。そこで小型のキャスタを下に敷くことにしたわけです。布団乾燥機を使う場合は単にホースを穴の中に差し込むだけですが、かさばるので持ち歩き用には使っていません。
持ち運ぶときは
自宅で使う場合には重さやスペースなどは考えなくても済むかもしれませんが、宿泊先などで使うことを考えると、なるべくコンパクトで軽量であることは大切です。
最初のうち外枠はあり合わせの缶ビールケースなどを使っていました。ダンボールなら運搬時もペチャンコになります。
熱効率を上げるためダンボール側面にスリット状の切込みを作り、そこに網を差し込み、上部を被ってみました。ところが、密閉状態に近くなると箱全体が異常に高温になります。そこで結局熱に強い素材を使って内側にアルミ箔を張りました。これが現在のもので、前面が開けられます。
餅網を2段ないし3段に置けるようになっています。乾燥機・餅網・キャスタはトレポカの箱にそのまま収まります。組み立てには数分でOKです。
もっとお手軽には
缶ビール等の箱を使う方法には捨てがたいものがあります。上蓋の部分を取り去り、腹の部分に適当な大きさの孔を開け温風器を密着させて置いたり、布団乾燥機のホースの先をつっこめばすぐに使えます。餅網をダンボール箱の上に置き、単純にこの上にきのこを並べればOKです。難点は熱効率が悪いこと、倒れやすいことくらいです。
乾燥機一式を持たずに宿泊したような時はこの方法はとても重宝します。宿には餅網や布団乾燥機は必ずあります。缶ビールの空き箱は簡単に貰えます。500ml用のダンボールが倒れにくくてよいでしょう。ダンボールの側面に丸い孔を開ければすぐに完成です。どこにでもあるものをちょっと借りるだけで手軽に簡易乾燥機のできあがりというわけです。ホテルなどより、民宿や安宿の方が気兼ねなく借りられるようです。
(2002/03/21記)