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[標本番号:No.2   採集日:2006/07/16   採集地:栃木県、日光市]
[和名:ジャゴケ   学名:Conocephalum conicum]
 
2006年7月26日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 あらためてキノコの切片作成の難しさを再認識した。このところキノコがないので、身近なコケを覗いて楽しんでいた。コケの世界でも苔類のゼニゴケ目を同定する場合には、葉状体(平べったいコケの本体)の薄切り切片を作らなくてはならない。
 切り出したのはジャゴケ Conocephalum conicum (a)。とても簡単に切片が切り出せる(b)。気室の観察をするため、その周辺の横断面を切り出した(c, d)。他にもあちこちの組織を薄切りにしてみた(e)。今月初めにも蘚類のシノブゴケ属で切片を作ってみた(覚書2006.7.7)。
 被子植物やコケの場合、適当につまんで薄切りにすればよい。ピスを使う場合、しっかりつまんでも組織は潰れない。切片がピス片にこびりつくこともないので、楽に両者を分離できる。
 それに対して、生きのこの場合はかなり事情が異なる。フニャフニャでつかみ所がない上に、ピスを使う場合でも普通につまむと、たちまち組織がペシャンコになってしまう。さらに、切り出した後も、切片をピス片から分離するのに細心の注意が必要だ。
 生きのこ切り出しで培われた切片作成技術は、ひろく応用がきく。特に、ウラベニガサ属、テングタケ属、コガサタケ属などでは、生からの切り出しはとても難しい。でも、これらで練習を積むと、他の種の切片作りが嘘のように楽にできる。