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[標本番号:No.9   採集日:2006/09/13   採集地:埼玉県、両神村]
[和名:カラヤスデゴケ   学名:Frullania muscicola]
 
2006年9月15日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 9月13日埼玉県西部両神村でコナラ樹幹についていたコケを持ち帰った(a, b)。これまで茎葉体のタイ類は一度も観察したことがない。ルーペで見るとどうやら茎葉体のタイ類のようだ(c, d)。葉の付き方は倒瓦状(c)、腹面をみると腹片と腹葉をもっているように見える(d)。
 コケの一部を取りだして顕微鏡の低倍率で見た(e)。背片はタマゴ型で全縁、腹片はヘルメット型をし(f, h)、さらに先端が二裂した腹葉を持っている(f, g)。腹葉の付け根には仮根らしき組織が見える(i)。仮根はそのいっぽんいっぽんが単細胞である。
 葉の細胞には円形から楕円形の油体が見え、トリゴンがよく目立つ(j)。柄の部分の表面の細胞は細長い矩形をなし、トリゴンはあまり目立たない(k)。どれが花被なのかはよくわからないが、ついているようだ。その証に、螺旋系をした弾糸らしき組織がみえる(l)。
 身近にコケ仲間を持たない初心者の悲しさ、他の弾糸も確認したが、どれが花被なのか、あるいは雌苞葉なのかよくわからない。それにしても美しい姿をした弾糸だ。
 当初、ヤスデゴケ科かクサリゴケ科のタイ類だろうと予測をつけていたが、観察結果からはヤスデゴケ科のカラヤスデゴケ Frullania muscicola Steph. と思われる。