Top  観察覚書:INDEX back


[標本番号:No.11   採集日:2006/09/23   採集地:埼玉県、秩父市]
[和名:ヒメジャゴケ   学名:Conocephalum japonicum]
 
2006年9月26日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 9月23日に秩父地方を歩いたときに、林道に多数でていたタイ類を持ち帰ったのだが、きのこの処理に忙しくて、なかなか観察できなかった。ちょっと見るとジャゴケに似ているが、薄くて小さく、つやがない。また、土の上を這っているように見えたが、縁は立ち上がっている(a, b)。よくみると、ところどころに紫色を帯びた小判型の組織をつけている(b)。
 腹面を見ると、中肋部に沿って仮根がつき、赤紫色を帯びた腹鱗片らしきものが見える(c)。ルーペで見ると、腹鱗片には丸い付属物のようなものがついている(d)。顕微鏡でこの部分をみた(e)。腹鱗片の付属物は赤紫色の類球形をしている(f)。
 仮根を少しつまみ取って顕微鏡でみると、どうやら2種類のタイプがみられる(g)。倍率を上げると有紋型と平滑型の両者があることがわかる(h)。植物体の横断切片を作ってみた(i)。中肋部は紫褐色の組織からなっていて(j)、背面には気室と同化系が見られる(k)。背面側から見ると気室孔の上面に位置する気室がはっきり分かる(l)。
 植物体の縁近くをみると、複数の細胞層からなり、中肋部の細胞にも油体らしきものがある。有紋型の仮根を持ち、気室や同化系をもつからゼニゴケ目ジャゴケ科には間違いない。持ち帰ったのはどうやら雄株らしい。ヒメジャゴケ Conocephalum japonicum としてよさそうだ。