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[標本番号:No.26   採集日:2006/10/28   採集地:栃木県、日光市]
[和名:オオクラマゴケモドキ   学名:Porella grandiloba]
 
2006年11月4日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 10月28日に栃木県川俣で採取した苔類を採取した(a)。植物体の大きさは4〜8cmほどで、葉は倒瓦状につき、全縁で広卵形。長舌状の腹片を持ち、腹葉は茎幅の1.2倍ほどで全縁(b, c)。となると、このコケも昨日観察したものと同じくオオクラマゴケモドキなのだろう。
 採取した場所は違っていたが、結果的に昨日と同じ種を観察していることになる。昨日の株では苞葉に包まれた組織を見たが、雄なのか雌なのかわからなかった。今日見ている株では、造卵器の様なものがみえる(d)。短い茎を出して雌苞葉らきしものに包まれている。
 種の同定作業はせずともよいので、この雌苞葉を観察してみた。まず、茎から分離した(e)。手前側の苞葉が邪魔でよく見えないので、これを取り除いた(f)。いくつかの雌苞葉で同じことをしてみた。細長いフラスコ状のものがいくつか並んでいる(g)。これが造卵器なのだろうか。
 倍率を上げていくつかの造卵器らしき組織を眺めてみた(h〜j)。一つの花序のなかに5〜9個の造卵器をつけている。一つだけ取りだしてみた(k, l)。いずれも長い首をもち、赤褐色の頸口細胞を内側に備えている。腹部の卵細胞はよくわからない。
 オオクラマゴケモドキは雌雄異株らしいので、持ち帰った株の中に雄株がないか、さんざん探してみたが見つからなかった。さらに、同日川治温泉で採取した株でもさがしてみたが、この中にも雄株はみつからなかった。造精器の観察は後日の宿題となった。