Top  観察覚書:INDEX back


[標本番号:No.31   採集日:2006/10/26   採集地:埼玉県、所沢市]
[和名:サヤゴケ   学名:Glyphomitrium humillimum]
 
2006年11月9日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 所沢市の航空記念公園で、サクラの樹幹に着生したコケの内から白く尖った帽をもった蘚類を持ち帰った(a, b)。茎の長さは4〜8mmほどで、とても小さい。多数が朔をつけているのだが、蓋を持ったよい状態の個体がなかった。朔柄を雌苞葉が包み込んでいる(c)。
 葉は狭い披針形で長さ1.2〜2.0mmほどしかない(d)。全縁で太い中肋がほぼ葉先まで達している(d, e)。葉先には歯はない(e)。葉身細胞は葉先では楕円形、基部ではやや細長い多角形をしているが、葉身の大部分ではほぼ方形である(e〜g)。
 葉の中程と先端近くの横断切片を切りだしてみた(h, i)。葉の中程では中肋に明瞭なガイドセルがみられるが(h)、先端付近ではそれはない(i)。各部の葉の横断面を何枚か作って、確認してみたが、雌苞葉の部分でも他の部分でも似たような傾向があった。
 朔は枝の先端につき、短い柄は苞葉に包まれる。朔は倒卵形で、朔歯は16枚ある(j)。朔歯はちょっとみたところ、8枚に見えるが(j)、よく見ると、2枚ずつがくっついたような状態になっている(k, l)。朔歯には横条が多数みられる。
 ヒナノハイゴケ科のサヤゴケ Glyphomitrium humillimum に間違いなさそうだ。