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[標本番号:No.39   採集日:2006/11/25   採集地:茨城県、鹿島市]
[和名:ツクシウロコゴケ   学名:Heteroscyphus planus]
 
2006年12月2日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 先月25日、茨城県鹿島神宮の森でボロボロになった腐朽木などに何種類かのコケが付着していた。いくつか持ち帰ったものの、きのこ観察に忙殺され、すぐに調べることができずにそのまま冷蔵庫に放り込んであった。今朝そのうちの一つを調べてみた(a)。
 ひとつ一つバラしてみると、茎の長さは2〜4cm、幅は葉をいれても4〜6mmしかない。葉は瓦状でわずかに重なり、ほぼ長方形をしている。葉先には2〜5つほど歯がある(b)。腹側を見ると、互いに開いて深く二裂した腹葉があり、それぞれの先には二つの歯がある(b, c)。
 腹葉の基部からは多数の仮根がでている。腹葉の基部にはところどころに雌花のようなものがついている(c, e)。葉身細胞は多角形でトリゴンはほとんど見られない(f)。
 葉が瓦状で、対生し、這う茎にほとんど縦に広くつくこと、葉先が広いことなどから、ウロコゴケ科にたどり着いた。さらに仮根が腹葉基部からでることから、検索表をたどるとウロコゴケ属に落ちる。さらに属の検索表をたどるとツクシウロコゴケ Heteroscyphus planus に落ちた。