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[標本番号:No.81   採集日:2007/01/24   採集地:富山県、富山市]
[和名:トサカホウオウゴケ   学名:Fissidens dubius]
 
2007年1月26日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 一昨日富山市内の小丘の石段で採取したホウオウゴケの仲間を観察してみた(a, b)。これまで出会ったことのないホウオウゴケ属を期待してのことだった。乾燥すると葉先が内側に巻き込んで縮む(c)。茎の長さは2.5〜5.5cm、葉の長さ2.0〜3.0mm(d)。何となく「また例のやつかなぁ」と悪い予感がしたが、先入観を捨てて観察することにした。
 先端付近をルーペで見ると、みるみる乾燥して先端が丸まってしまった(e)。葉を一枚とりだして水没させてみると、縁は明色で何となく先端に歯があるようにみえる(f)。顕微鏡でみるとこれは葉縁の明色や葉先の重鋸歯の様子が明らかになった(g〜i)。褐色を帯びて強靱な中肋は先端近くまで達するが、葉先からは突出しない(i)。予感はあたっていたようだ。
 念のために葉の横断切片を何枚か切りだしてみた(j, k)。葉一枚だけだと、押さえがきかず切りにくいので、最初に茎と一緒に切り出した(j)。腹翼の断面の様子も確認してみた(l)。背翼の写真は省略した。いずれの翼部でも、葉先でも、縁の細胞は一層で、パピラのようなものは見られない。トサカホウオウゴケ Fissidens dubius としてよさそうだ。はからずも、トサカホウオウゴケは今回で三度目の観察となってしまった(覚書2006.12.29同2006.10.31)。