Top  観察覚書:INDEX back


[標本番号:No.83   採集日:2007/01/24   採集地:富山県、富山市]
[和名:ハリガネゴケ   学名:Bryum capillare]
 
2007年2月1日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 先月24日富山市の小丘の日陰で、地蔵の礎石から緑鮮やかなコケを採取した(a, b)。今年の富山市には雪はなかったが、日陰には適度の湿気があった。時間がなくて放置しておいたが、今朝ようやく調べることができた。
 乾くと葉は丸まって捻れる。湿気を与えてばらしてみた(c)。若い茎の基部には仮根が密についている(d)。茎は1.8〜2.0cm、葉はとても柔らかく(e)、長さ1.2〜2.2mm、船のような形の長卵型〜紡錘形(f)で、中肋は先端に届き、葉頂から突出している。葉の縁には明瞭な舷があり(g)、ほぼ全縁だが、葉先周辺に微細な歯がある。
 葉身細胞は細長い五〜六角形で、長さ40〜55μm、細胞膜は薄い(g, h)。葉の先の方(j)、中程やや上(k)、中程と基部との間(l)で、それぞれ横断面を切り出してみた(j〜l)。中肋をみると、ステライドの発達は悪く、先端付近にごくわずか、さらに基部から中程だけみられた。
 朔はかなり干からびていたが、円筒形で頚があり、水平ないしやや下垂する(b)。朔歯は二列で16枚からなる。内朔歯には間毛のような構造がみられる。
 どうやらハリガネゴケ属らしい。この仲間の種の同定はかなり難しそうだ。とりあえず、何種類かの図鑑から判断して、ハリガネゴケ Bryum capillare として大きな誤りではなさそうだ。