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[標本番号:No.144   採集日:2007/03/15   採集地:千葉県、香取市]
[和名:チヂミカヤゴケ   学名:Macvicaria ulophylla]
 
2007年3月21日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 去る3月15日に千葉県北部の香取神宮の杜を歩いた。境内の銀杏の幹に着いていたコケを持ち帰った(a, b)。赤色の朔をつけていたが、葉が著しく波打ち、クシャクシャの状態で幹にへばりついていた(c)。いったいどういう形態をしているのか、よく分からなかったが、バラしてみると、不規則に分枝する長さ2〜3cmの茎に葉が密についている(d)。
 湿らせてみると、朔をつけた株では、葉の波打ち具合が激しく(e)、朔をつけない株では丸い葉をつけ、葉の波打ち具合は少なく、裏返しにしてみると、舌形の腹片と複葉をつけている(f, g)。波打って縮れた葉も丸い葉も縁に歯などはなく、腹片も全縁である。複葉は茎幅の1.5〜2倍の幅で全縁、広舌形で葉先は円頭。葉身細胞は25〜30μm、薄膜でトリゴンも見られる(i)。
 いくつも朔をつけ、朔はすでに裂けていたので(j)、胞子などをみることにした。胞子は表面に小さな疣を帯びて径60〜70μmとかなり大きい(k)。弾糸は螺旋形に渦をまいた組織もあるが、バラバラなリングが一定間隔で並んだものがよく目立つ(l)。
 チヂミカヤゴケ Macvicaria ulophylla として間違いなさそうだ。銀杏の樹幹に付着したままかなり乾燥していたのか、水に浸してもなかなか生状態に復帰しなかった。それもあり、油体の形や数、花被の状態などは正確には記録しなかった。