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[標本番号:No.190   採集日:2007/04/27   採集地:埼玉県、川口市]
[和名:ジンガサゴケ   学名:Reboulia hemisphaerica ssp. orientalis]
 
2007年5月6日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 コケの春である。蘚類ばかりではなく、団地の街路樹の周囲には苔類も朔をつけている(a)。囲いの鉄枠の隙間や、樹木の回り一面にひろがっている(b, c)。雌器床には、成熟した胞子体がいまにも破裂するばかりについている(d, e)。
 葉状体の裏面をみると、仮根の両側に、三日月型で暗紫褐色の腹鱗片が何列にも並んでいる。腹鱗片の先には糸状の付属物が数個ついている(f)。葉状体の横断面をみると、表皮層に同化組織が分化していて、アーチ型の孔がみられる(g, h)。
 朔を逆さにしてみると、袋が破れて胞子が飛び出していた(i)。スライドグラスの上にこぼれた胞子類をルーペでみると、面白い形の胞子と弾糸が多数みえた(j)。顕微鏡下においてみると、胞子は多面体で、表面には鶏の鶏冠の様な網目模様をなしている(k, l)。弾糸は短く、密に詰まった螺旋構造となり、まるで線虫のような姿をしている。なお、仮根には有紋型と平滑型がある。
 ジンガサゴケ Reboulia hemisphaerica ssp. orientalis を採取したのは、昨年9月以来だった(覚書2006.9.16)。葉状体だけの時は同定に難儀しそうだが、朔をつけていたり、特徴的な姿の胞子を見ると、直ぐにジンガサゴケ属であるとわかる。