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[標本番号:No.214   採集日:2007/05/03   採集地:栃木県、日光市]
[和名:ハマキゴケ   学名:Hyophila propagulifera]
 
2007年6月9日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 ハマキゴケといえばありふれたコケだが、5月3日に鬼怒川温泉近くの公園で、道路脇のコンクリート壁一面についていたものを採取した(a)。以前、ハマキゴケだと思ったら、カタハマキゴケだったことがあり、無性芽だけは必ずチェックするようになった。せっかく採取して顕微鏡で種の確認をしたので、その画像などを残しておくことにした。
 乾湿状態での差異は興味深く面白い(b, c)。採取した標本の中には、茎の頂部近くの葉の基部に多数の無性芽の塊をつけたものがあった(d)。葉は太い中肋が葉頂まで達し、鈍尖状態となっているが(e)、中肋背面にもマミラが見られる(f)。葉身細胞は、葉の大部分では丸みのある四角形で(g)、中央部が丸く盛り上がっているが、基部では矩形となって、表面も平滑だ(h)。
 葉の基部に多数みられる無性芽は、多細胞からなり倒卵形でしばしば短めの柄をもっている(i, j)。若い葉の横断面(l)ばかりではなく、褐色になったやや古めの葉の横断面を切って中肋などを確認した(k)。中肋の背腹両面に顕著なステライドが発達しているとされるが、古い葉の基部では、ステライドは不明瞭でガイドセルばかりとなったものが多かった。