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[標本番号:No.266   採集日:2007/06/16   採集地:埼玉県、秩父市]
[和名:ミヤマミズゼニゴケ   学名:Calycularia crispula]
 
2007年7月27日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 6月16日に埼玉県秩父の大血川で、濡れた岩の上についていた葉状体の苔類を採取した(a)。これまで湿らせた状態のママ冷蔵庫に保管してあった。葉状体は不透明で一部はやや褐色を帯び、長さ2〜5cm、幅5〜8mm、先端で二叉に分枝し、境界の曖昧な中肋部をもっている。
 横断面をみると、中肋部は厚いところで、18〜22細胞幅があり、翼部は次第に薄くなり、葉縁では単細胞層となり、縁は波打ち、全縁(c〜e)。葉身細胞は六角形で、トリゴンは小さく、油体が各細胞に数十個みられる(f, g)。腹鱗片は線形で、長さ18〜22細胞、幅4〜6細胞、縁には毛状に細胞が並ぶ(h, i)。仮根は褐色で、平滑。

 花被などをつけた個体が無いか探したが、みあたらなかった。腹鱗片の形態や、葉状体横断面の様子などから、アリソンゴケ科のミヤマミズゼニゴケ Calycularia crispula だろうと思う。