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[標本番号:No.308 採集日:2007/08/22 採集地:山梨県、鳴沢村] [和名:シモフリゴケ 学名:Racomitrium lanuginosum] | |||||||||||
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富士山の奥庭周辺から五合目(標高2,200〜2,300m)にかけては、足下に溶岩が広く露出した地域が広がる(a, b)。その溶岩をよく見ると、白っぽいコケが多数ついている(c, d)。1本の茎をつまみ出してみると、長さ4〜5cmで不規則に枝分かれしている(f)。ルーペの下で、乾燥状態(g)と湿った状態(h)を比較してみた。乾燥状態では葉が茎に軽く圧着したようになるようだ。 葉は披針形で、長さ3〜4mm、先が細長く尖り、葉の中程から先は白色透明となり、先の方には牙状の歯をもつ。中肋は葉先付近まで達し、中肋の先端付近は広く透明尖が中肋周辺まで迫っている。 |
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葉先の透明尖の部分は顕著な乳頭をもっている(m, n)。この部分の細胞の形は長い矩形〜線状のようだが、はっきりとらえることが難しい。透明尖以外の部分では、葉身細胞は長い矩形で、著しく肥厚して波状にとなった細胞壁をもつ(o, p)。葉の中央部から先端にかけての細胞では、低い乳頭を持つが(o)、下部の葉身細胞は平滑である(p)。翼部に分化した細胞は見られない。 葉の各部で横断面を確認してみた。葉の中央部から先では葉身細胞に乳頭を持った部分もあるが、葉の中央部から基部にかけての横断面では乳頭はみられない。葉の上部は1細胞の厚さである。茎や枝の横断面に中心束はなく、表皮細胞は小さい(r)。 シモフリゴケ属の蘚類だろう。検索表をたどると、シモフリゴケ Racomitrium lanuginosum に落ちる。シモフリゴケについての図鑑の記述を読むと観察結果とほぼ一致する。 |
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