[和名：イボヤマトイタチゴケ 学名：Leucodon atrovirens]
) (a) |
) (b) |
) (c) |
) (d) |
) (e) |
) (f) |
) (g) |
) (h) |
) (i) |
) (j) |
) (k) |
) (l) |
茎の幅は葉を含めて、乾燥時2mm前後だが、湿ると葉を展開させ4〜5mmとなる。二次茎の長さは、8〜10cmにも達する。葉は湿ると広く展開するが、乾燥しても縮れることはなく、茎に密着する。葉は卵状楕円形で先が尖り、長さ2.8〜3.2mm、全縁で中肋はなく、湿ると小船のような凹状となり、乾燥すると縦シワが顕著となる(e〜i)。
葉身細胞は、葉頂付近では菱形で長さ18〜25μm(j)、葉身の大半では線形で長さ30〜45μm(k)、いずれも厚壁で、異形の細胞からなる翼部を持つ。翼部の細胞は、方形で長さ5〜10μm、厚壁(l)。葉の基部をみると、翼部から中央部にわたって、3つのタイプの葉身細胞が連なる(m)。最も内側の線形の細胞は長く、50〜60μmの長さがある。
) (m) |
) (n) |
) (o) |
) (p) |
) (q) |
) (r) |
) (s) |
) (t) |
) (u) |
) (v) |
) (w) |
) (x) |
) (y) |
) (z) |
) (aa) |
) (ab) |
) (ac) |
) (ad) |
イタチゴケ科 Leucodontaceae の蘚類に間違いなさそうだ。二次茎の葉に中肋がなく、翼部の細胞が、葉身部と異なった形をしているから、イタチゴケ属 Leucodon の蘚類だろう。二次茎に中心束がなく、翼部は葉長の1/3以下で、朔柄に明瞭な乳頭があることなどから、検索表をたどると、イボヤマトイタチゴケ Leucodon atrovirens に落ちる。帽や朔の蓋、胞子の観察はできなかったが、いずれこれらを観察するチャンスもあるだろう。