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[標本番号:No.818   採集日:2009/12/13   採集地:栃木県、栃木市]
[和名:コハネゴケ   学名:Plagiochila sciophila]
 
2009年12月23日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a, b) 植物体、(c) 標本、(d) 背面、(e, f) 腹面、(g, h) 葉、(i) 葉身細胞、(j) 葉縁の歯、(k) 腹葉、(l) 茎の横断面

 杉植林の沢沿いの道でハネゴケ属 Plagiochila の苔類が岩を一面に覆っていた(a, b)。花被がついていないか探してみたが見あたらなかった。多分コハネゴケ P. sciophila だろうとは思ったが、念のために観察してみた。
 一次茎は岩をはい、二次茎は緩く樹状に分枝して斜上し、平面的に広がり、長さ3〜5cm、葉を含めた茎や枝の幅は2〜3mm(c)。葉は光沢のある黄緑色で瓦状に接在し、茎や枝に対して斜めにつき、長さ1.5〜2.0cm、類卵形(d, e, f)。葉の背縁側は、基部がやや下延しほぼ全縁か小さな歯が1〜2個ある。葉の腹縁側には4〜6個の歯がある(g, h)。腹葉は痕跡的でとても小さく、基部まで深く2〜4裂し、裂片は披針形でときに長毛状に伸びる(f, k)。
 葉身細胞は六角形で、長さ25〜40μm、トリゴンはほとんどなく壁は薄い。油体は各細胞に6〜12個あり、類球形〜楕円形で微粒の集合となっている(i, j)。茎の横断面で、外皮は髄部分の細胞からやや分化してわずかに小形となっている(l)。どうやらコハネゴケとしてよさそうだ。