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[標本番号:No.0862   採集日:2010/04/11   採集地:神奈川県、清川村]
[和名:トサカホウオウゴケ   学名:Fissidens dubius]
 
2010年4月17日()
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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(m)
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(n)
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(o)
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(p)
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(q)
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(r)
(r)
(a, b) 植物体、(c) 標本:乾燥時、(d) 標本:湿時、(e) 葉、(f) 葉上部の中肋、(g) 葉上半部の縁、(h) 葉頂部、(i, j, k) 葉の横断面、(l) 茎の横断面、(m) 朔基部の気孔、(n, o) 上からみた朔歯、(p) 朔歯、(q) 朔歯上部、(r) 朔歯下部

 神奈川県東丹沢の本谷川流域で岸壁についていたトサカホウオウゴケ Fissidens dubius とおぼしき蘚類を採取した(alt 440m)。葉縁に舷はなく、葉上部の縁には明瞭な重鋸歯があり、葉縁の細胞は1層からなり、平滑で明るい。葉身細胞は不規則な六角形で中央部が膨らむ。これらの形質状態からトサカホウオウゴケとしてよさそうだ。
 この蘚については、過去に何度も採集・観察しているが、一度しか朔歯をていねいに観察したことはなかった(標本No.82)。ところが、標本No.82は野外では朔に帽と蓋がついたとてもよい状態だったにも関わらず、乾燥標本から水で戻すと、多くの朔歯がボロボロと崩れてしまった。このため、整った朔の姿を画像としてとどめることはできなかった。
 いつかあらためて朔歯をじっくりと観察・撮影してみたいと思っていた。今回の観察覚書は、観察というより朔歯の姿を画像として残すことが主眼となった。また、先に標本No.733の[修正と補足:2009.10.23] で再検討したときに、上翼部分の中肋の表皮細胞を詳細にみたので、ここでも掲げておいた(f)。あらためて再検討してみたNo.733は、トサカホウオウゴケではなく、ホウオウゴケF. nobilis とする方が適切ではあるまいかと思えてきた。