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[標本番号:No.1050   採集日:2010/10/14   採集地:高知県、香美市]
[和名:ヒメギンゴケモドキ   学名:Anomobryum filiforme]
 
2011年2月9日(水)
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(m)
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(n)
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(o)
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(p)
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(q)
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(r)
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(a, b) 植物体、(c) 標本:乾燥時、(d) 標本:湿時、(e) 乾燥時、(f) 湿時、(g, h) 葉、(i) 葉の上半、(j) 葉の下半、(k) 葉身細胞、(l) 葉の先端部、(m) 葉の基部、(n, o) 葉の横断面、(p) 茎の横断面、(q) 葉腋の無性芽、(r) 無性芽

 高知県香美市の別府峡で、濡れた石灰岩に群生していた蘚類を観察した(alt 630m)。茎は細く葉を含めた幅は0.5〜0.8mm、立ち上がって高さ3〜4cm、葉を鱗状につけ、湿っても葉を展開しない。葉は広卵形で深く凹み、長さ1.0〜1.3mm、やや鋭頭で、葉縁は全縁。中には葉上部の縁に微歯をもつものもある。中肋は葉頂に達する。
 葉身細胞は紡錘形〜線状六角形で、葉の中央部で、長さ90〜140μm、幅8〜13μm、薄壁で平滑、基部近くでは幅が広くなり形も矩形に近づく。葉の横断面で、中肋にはやや厚壁細胞がある。茎の横断面には弱い中心束があり、表皮細胞の壁は薄い。葉腋にイチゴ形の無性芽を10数個抱えたものが随所に見られる。

 ハリガネゴケ科 Bryaceae ギンゴケモドキ属 Anomobryum の蘚類だと思う。平凡社図鑑によれば日本産2種とあり、検索表からはヒメギンゴケモドキ A. filiforme に落ちる。凾つけた個体は見あたらなかった。