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[標本番号:No.1074   採集日:2010/10/15   採集地:徳島県、木頭町]
[和名:イワイトゴケモドキ   学名:Haplohymenium sieboldii]
 
2011年2月13日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
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(i)
(i)
(j)
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(k)
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(l)
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(m)
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(n)
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(o)
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(p)
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(q)
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(r)
(r)
(a) 植物体、(b) 標本:乾燥時、(c) 標本:湿時、(d) 乾燥時、(e, f) 湿時、(g) 葉、(h) 葉:腹面、(i) 葉の腹面側の葉身細胞、(j) 葉:背面、(k, l) 葉の背面側の葉身細胞、(m, n) 葉の背面側の先端、(o) 葉の基部、(p) 葉の横断面、(q) 葉と茎の横断面、(r) 枝の横断面

 徳島県木頭村の高の瀬渓谷で標本No.1060と同じ種と思われる蘚類があちこちで群落を作っていた。本標本は直線距離で2〜3kmほど離れた場所で採取した(alt 700m)。

 原則として同一地域で採取した同一種のコケはアップしない。また、すでに何度も取り上げたコケについても理由のない限りアップしない。このため、観察結果をアップした数は、標本番号に比較してずっと少なくなっている。ちなみに今日現在で、標本番号はNo.1081、観察覚書で取り上げた数は806件となっている。何度も取り上げている種は、自分にとって苦手とする種や不明種、地域や変異の大きなものが主体となっている。

 同一地域で採取した同一種をとりあげたのは、以下の二つの理由による。一つは羽状に分枝した姿をしているものが多かったことだ。平凡社図鑑には「一般に茎はやや羽状に分枝し」とあるが標本No.1060ではそういうものはほとんどなかった。
 今一つは、葉の背腹で表面のパピラの分布が異なっていたことだ。標本No.1060では、背面側に多く腹面側には少ないとはいえ、背腹両側の葉身細胞ともに表面は数個のパピラに覆われていた。本標本では、腹面側にはパピラがほとんどなく、あっても隆起が非常に低く、全体がマミラ状となっているものが多かった。また、図鑑には「山地の樹木に着生する」とあるが、両標本ともに岩壁や石垣などに着生していた。