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[標本番号:No.1146   採集日:2017/01/02   採集地:栃木県、日光市]
[和名:エゾスナゴケ   学名:Racomitrium japonicum]
 
2017年1月18日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(w)
(w)
(x)
(x)
(a, b, c) 植物体:乾、(d, e, f) 同:湿、(g, i) 標本:乾、(h, j) 標本:湿、(k, l, m, n) 葉、(o) 先端、(p) 先端基部、(q) 葉中央部の細胞、(r) 葉基部近くの中肋、(s) 葉基部の細胞、(t) 葉翼部の細胞、(u, v) 葉の断面、(w, x) 中肋の断面

 先に雑記2017.1.4でスナゴケの仲間として観察練習として取り上げたものだが、どうやらエゾスナゴケとしてよさそうに思えるので、ここに新たに重複をいとわず取り上げた。標本番号が大きく飛び離れているのは、川口市時代に採集して六年間放置したままの標本に番号が振られていたからだ。できたらそれらの標本も改めてじっくりと観察したい。
 いつも散歩をする道端の砂利交じりの場所に、茶褐色のポッコリした群落をつくっていた(a〜c)。湿らすと鮮やかな黄緑色になり花が開いたような姿に変身する(d, e)。いくつかを引っこ抜いてみると茎は2〜4cmほどあった(f〜h)。葉を取り外して、乾状態(l)と湿状態(k, m)で並べてみた。一本の明瞭な中肋が先端まで達している(n)。先端は透明な芒となり(o, p)、芒の基部から葉の基部までの細胞表面には高い疣が複数ある(p〜s)。細胞の壁はかなり肥厚している。KOHで封入すると全体に赤みを帯びた。葉の基部の細胞は細長く壁が波状に肥厚している(s)。葉の基部の翼部の細胞は大型薄膜で疣はない(t)。
 葉の長さは2〜2.5mmほどあるのだが、何と言っても一細胞層からなっているので、葉の断面の切りだしは思いの他難しい。何枚も切ってみて、そのうちから葉の断面や中肋の断面が比較的よくわかるものを、対物40倍(o, q)と油浸対物100倍(p, r)で並べてみた。久しぶりの葉の断面切り出しだったが、なかなか思い通りには切れない。
 ながいこと中断していたコケ観察の第一号ということになるが、今後は詳細な観察記録というよりも、写真主体として、なるべく写真に語らせるようなパターンでやっていきたいと思っている。