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[標本番号:No.1149   採集日:2017/01/12   採集地:栃木県、日光市]
[和名:ヒナノハイゴケ   学名:Venturiella sinensis]
 
2017年2月7日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
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(l)
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(m)
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(n)
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(o)
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(p)
(p)
(q)
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(r)
(r)
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(a, b) 植物体、(c) 胞子体と苞葉:乾、(d) 同前:湿、(e) 匍匐する茎と葉、(f) 胞子体、(g, i) 葉、(h) 苞葉、(j) 葉の先端、(k) 葉の基部、(l) 葉の断面、(m) 胞子、(n) 朔の蓋、(o) 朔、(p)朔歯、(q) 朔歯:表側、(r) 同前:裏側、(s) 口環、(t) 朔の基部:気孔、(u) 気孔、(v) 朔柄の表皮、

 先月12日に自宅前の桜の樹幹についていたヒナノハイゴケを採取した。一目ですぐに種名までわかるにも関わらずわざわざ採取したのは、いろいろな特徴をすっかり忘れているので、じっくり観察したいと思ったからだが、体調を崩したためずっと放置状態だった。
 葉の様子は乾湿でほとんど変わらない。朔は直立する茎の頂端につく。朔の蓋は残っていなかった。葉は卵型で、舷などはなく全縁。匍匐する茎の葉に比較して、胞子体を支える直立茎の葉や苞葉はずっと大きい。葉の先端は透明な芒となって長く伸びている。葉に中肋はない。葉の細胞は朔の蓋は透明な薄膜の細胞からできている。朔は卵型で、朔歯はひし形から六角形で膜は薄い。葉の基部の細胞は矩形。
 朔歯は一重で、16枚からなり、明瞭な口環が見られる。朔の基部付近には気孔がみられる。朔柄の表面には気孔はなく、矩形の細胞からなっている。
 ピンセットの先が曲がったり、うまくかみ合わなくなっていて、匍匐茎の葉や苞葉などを取り外すのに難儀した。また、朔から胞子を取り除くのが結構面倒くさかった。