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[標本番号:No.1187   採集日:2017/04/29   採集地:栃木県、矢板市]
[和名:クサリゴケ科   学名:Lejeuneaceae sp.]
 
2017年6月30日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
(f)
(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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(m)
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(n)
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(o)
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(p)
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(q)
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(r)
(r)
(a) 発生環境、(b, c) 植物体、(d) 標本:サイズ計測用、(e) 標本:背面、湿時、(f) 標本:腹面、湿時、(g) 標本:腹面、乾燥時、(h) 顕微鏡下の姿:背面、(i, j) 側葉と腹葉、(k) 腹片の縁、(l) 腹葉の先端、(m) 仮根、(n) 葉身細胞、(o) 油体、(p) 側葉の断面、(q) 背片の断面、(r) 茎の断面

 採取からすでに一ヶ月以上経過したまま放置状態のコケ標本が十数点ほどある。そのうち矢板市の八方ヶ原大間々台付近(alt 1,300〜1,400m)で採取した苔類を観察した。採取したその日のうちに、葉身細胞の油体だけは撮影しておいた(o)。

 コケは針葉樹の樹幹にマット状に密集して着いていた。灰緑色〜黄緑色で、茎ははい不規則に分枝し、長さは1〜2cm、葉を含めた茎の幅は1.5〜2.0mm。葉の背片は倒瓦状に重なり、広く開出し、卵型、円頭、先端部は内曲する。腹片は背片の長さのおよそ1/2で、卵形〜楕円形で、切頭、端に2〜4細胞からなる小さな歯牙が三つあり、キールは長い。葉身細胞は15〜25μm、やや厚膜でトリゴンはやや大きい。油体は1細胞に3〜5個あり、楕円形で微粒の集合。腹葉は離在し、横に広い楕円形で、幅は茎の4〜5倍、全縁。仮根が腹葉の基部からでる。また、枝の分枝の仕方はヤスデゴケ型なのかクサリゴケ型なのかよくわからない。

 クサリゴケ科 Lejeuneaceae の苔類と思われるが、観察結果に基づいて保育者図鑑と平凡社図鑑にあたってみたが、該当する属にはたどり着けなかった。おそらく観察が足りないか、何かを間違えているのだろう。今の時点では止むをえないので、クサリゴケ科の苔類として観察結果だけをアップしておくことにした。