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[標本番号:No.1190   採集日:2017/04/29   採集地:栃木県、矢板市]
[和名:ホンシノブゴケ   学名:Bryonoguchia molkenboeri]
 
2017年7月12日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
(f)
(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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(m)
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(n)
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(o)
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(p)
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(q)
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(r)
(r)
(a, b) 植物体、(c) 標本:乾燥時、(d) 標本:湿時、(e) 茎:乾燥時、(f) 茎:湿時、(g) 茎葉と枝葉、(h) 茎葉の上半、(i) 茎葉の下半、(j) 茎葉の葉身細胞、(k) 茎葉中肋背面の牙、(l) 茎葉の縁、(m) 枝拡大、(n, o) 枝葉、(p) 枝葉の葉身細胞、(q) 茎の断面、(r) 毛葉

 2ヶ月以上前の4月29日に矢板市の八方ヶ原で採取した蘚類の未同定標本も数少なくなってきた。今朝はそのうちのシノブゴケ科の蘚を観察した。やや開けた樹林の中の腐葉土や岩の上に密に群生していた。
 茎は横に這い、長さ15〜25cmになり、かなり規則的に数回羽状に分枝し、左右の枝葉ほぼ同じ長さになり、茎の表面は毛葉で密に覆われる。茎葉は広卵形〜三角形の基部から急に細く長く伸び、先端は尖って、縦皺があり、長さ1.0〜1.4mm、基部からは多数の毛葉が出ている。茎葉の中肋は強く、葉先にまで達し、背面にはまばらに牙状突起がある。枝葉は小さく卵状の基部から先端は尖り、中肋は葉の中ほどまで達し縁は鉅歯状というより牙状に突出し、長さ0.3〜0.4mm。茎葉も枝葉も、葉身細胞は菱形〜紡錘形で、長さ10〜20μm、幅4〜8μm、葉の表面の細胞は平滑で、裏面の細胞の中央には大型で鋭い牙状の乳頭がある。茎の断面で、表皮細胞は厚壁で小さく、弱い中心束が見られる。毛葉は枝分かれし、先端は尖っている。
 ホンシノブゴケ Bryonoguchia molkenboeri としてよさそうだ。

 この標本では、これまでに見てきたものと比べて、全般的に茎葉が小さく、逆に枝葉が比較的大きかった。