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2007年4月6日(金)
 
いつのまにか百種
 
 こけの「観察覚書」を書き始めたのは昨年(2006)7月7日、トヤマシノブゴケだ。これは「きのこ雑記」の「今日の雑記:2006年7月7日」をそのまま転載したものだ。きのことの絡みでコケに触れることになった。しかし、これが結果的に第一号となった。この時点では、9ヶ月後の今もコケの観察記録を続けることになるとは思いもしなかった。

 きのこの場合でもそうだったが、採取したこけを単純に図鑑との「絵合わせ」だけで、安直に種名を決めてしまうことには抵抗があった。小さくて似通ったものが多いと推定されるこけでは、きのことは違った意味で、ミクロの世界での観察が重要と思われた。
 幸い、使い慣れた顕微鏡と実体鏡はある。プレパラート作成の初歩的技術・技能はある。観察結果は何とか記せるだろう。観察結果から特徴的な形質に注目すれば、検索表をたどることができる。なぜか多くの人が嫌う検索表だが、これには全く抵抗はない。
 経験の無さは、詳細な観察と文献に頼れば、とりあえず大きな間違いをするおそれは少ない。信頼性の高い基本的な文献が何かを調べて、『日本の野生植物 コケ』、『日本蘚苔類図鑑』、"Illustrated Moss Flora of Japan"、『(正、続)日本産苔類図鑑』、『日本産蘚類概説』などを購入した。服部植物研究所とか平岡環境科学研究所の論文も増えた。
 きのこと違って、コケ世界には、「通俗書」といったものが少ない。ちょっと考えてみれば、これは当然のことなのだろう。山菜・きのこ狩り人口に比較したら、コケ鑑賞、コケ愛好などは、はるかにマイナーな趣味と思われる。
 各県にはたいてい「××きのこ会」のようなものがある。しかし、コケ世界ではまったく事情が異なっていた。各県に「××コケの会」ができるほどの愛好者・研究者はいない。岡山コケの会にも入った。同好の士と情報が得られた方が楽しいからだ。

 観察したコケは、形質状態と同定の根拠などをメモした。外出先からも確認できるよう、「コケの観察覚書」の名で「きのこ雑記」の一部としてネット上に置いた。文献類には顕微鏡写真が少ないので、ミクロの画像をなるべく多く載せることにした。
 何度も観察結果を載せることになったコケがいくつもある。「以前観察したものとは違うかもしれない」、「自分にとっての未知種かもしれない」という思惑からだ。既に観察済み、といったケースは避けられない。そこで、同一種を何回取りあげたのかをカウントすることにした。
 しかし、途中から考え方が変わってきた。視点を変えて観察したものは、重複を厭わず何度でも載せればよい。一方、採取・観察・記録しても、既掲載種と判明したため、掲載しない標本も増えてきた。欠番となっているNo.129、No.133、No.136、・・・、No.160などがそうだ。
 今日までに掲載したものは150を超える。そして、種類としても100種を数えることになった。この100種の中には、「あやしいもの」や、「××だろうけれど、まったく自信はない」といったものも含まれている。そういったものは、「誤った原文」はそのまま残して、年月日入りの「補足と修正」で訂正していこうと思う。