2001年7月24日
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
←ゼラチン質
 骨格部
(g)
(g)
(h)
(h)
←冷凍乾燥した
 ホシアンズタケ
 ホシアンズタケを顕微鏡で覗いてみた。採取したての新鮮な個体から胞子やシスチジアを検出するのは意外と難しい。分厚いゼラチン質に邪魔されてヒダのカッティングなどがなかなか思い通りにならない。今回は、2001年6月24日に採取したホシアンズタケを冷凍乾燥させて作成したサンプルを使った。自宅冷凍庫に1週間ほど放置した後、そのまま冷蔵庫に移動して放置したものだ。ヒダ切片の作成は楽だったが、ゼラチン質は乾燥しても頑固に周囲を包囲している。
 メルツァー液で胞子はみごとに染まる。400倍で覗いたのが(a)、更に油浸レンズを使って1000倍にして輪郭をとらえたのが(b)、同じく1000倍で表面をとらえたのが(c)だ。(c)で胞子周辺の丸いのはゼラチン質だ。胞子の表面は明瞭なアミロイドで、サイズは8μmほどだ。(d)の写真はcheilocystidia(縁シスチジア)だ。(e)はそれを実体鏡の下でばらしたものだ。ゼラチン質の中に泳いでいる。pleurocystidia(側シスチジア)はかなりしつこく捜したが無い。これは資料に記述されている通りだ。
 傘表面やヒダ表面を分厚く覆うゼラチン質の骨格部を覗いたのが(f)だ。乾燥ホシアンズタケ(g)のうち、今回は冷凍乾燥した(h)からプレパラートを作成した。なお、明瞭なクランプは何カ所か検出できたが、400倍での撮影には成功しなかった。これも油浸レンズを使わないとうまくいかないようだ。友人の高橋 博氏(きのこ屋)は明瞭なクランプの撮影をしているので、いずれ撮影したいものだ。

日( )