2002年4月4日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(u)
(u)
 川口市でも野生のマグワは随分少なくなってしまったが、しぶとく生き残っている樹下には多数のキツネノワン(a〜d)がでている。キツネノワンは菌核菌の中ではかなり大きい。(d)の完熟個体からは風で胞子がみごとに舞い上がる。
 さいたま市にもハルシメジ(u)が出てきた。am5:30に撮影したのだが北風が強くて難儀した。梅などの樹下にでるタイプだが、本番はこれからだろう。
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
 休耕田の荒れ地に多数のハタケキノコらしき姿があったので撮影して(e)、傘をひっくり返してみた(f)。傘表面を濡らしてみたり、柄(g)やら根元(h)をみているうちに、どうやらハタケキノコにしてはおかしい。傘には明瞭な条線があり濡らしても全くヌメリがない。根元には少しだけ白毛があるが根状菌糸束はない。柄の中心には随はある。胞子紋(i)をとってみるとどうやらフミヅキタケ属(Agrocybe)には間違いない。でも「小麦粉のような臭い」など全くない。外観からの観察ではこれ以上はわからない。顕微鏡でどこまで分かるのだろうか。
 (e)のAgrocybe sp.のヒダ切片(j)から側シスチジアを探すがほとんどない。これはハタケキノコの特徴に合致する。しかし、胞子(k)が7.5〜9.0×4.5〜5.5μmでヒトヨタケ科のコナヨタケ(Psathyrella obtusata)のサイズに近く、ハタケキノコやオキナタケなどより一回り小さい。おまけに担子器(l, m)はすべて2担子型だ。焦点位置をいろいろに変えて見るがどの担子器も2つしか担子柄がない。ヒダの実質が(n)だが、ここにはクランプはない。もっともクランプに関してはヒダ以外の部分も探さねばならないかもしれない。
 当初はアルバムのハタケキノコに追加するつもりだったが、結局これもまた不明種としてお蔵入りとなりそうだ。毎回大部分はこういった運命を辿るのだから。

日( )