2002年5月13日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 昨日採取したササクレヒトヨタケは持ち帰ると直ちにヒダ切片を作成した。すでにヒダはかなり液化が進んでいて切り出しには難儀した。ヒダ1枚だけの切片(a)と複数のヒダを含む切片(b)を作った。というのもヒダはすぐに液化してしまうし、とてももろいので、1枚だけのヒダから薄い切片を作るのは至難の業だ。しかも、せっかく薄い切片ができてもカバーグラスの重みでつぶれてしまう。
 最初ヒダの付け根部分(c)をみたのち、プレパラートに水分をたっぷり含ませて支柱としてのシスチジア(d)を観察した。次に水分を微量にして側シスチジア(e)、縁シスチジア(f)等をみた。胞子写真(g) の目盛りのスケールは1μmだ。担子器(h)は胞子を放出すると直ちに溶けてしまうので、 やや若いものしか撮影はできなかった。
 ヒダの表面における担子器の分布状態をみるために、ヒダを2枚に剥がしてその表面(i)を覗いてみた。シスチジアに焦点を合わせ ると担子器がわかりにくい、担子器に焦点を合わせると手前のシスチジアに邪魔されて全体がぼけてしまう。そこで妥協の産物で両者の中間に焦点を合わせた。(i)の写真で4つ の点を持つ輪が担子器だ。もっとわかりやすくするためにフロキシンで染色(j)してみる と担子器の部分が紫色に染まった。担子器どうしがぶつかり合わないようにシスチジアがうまく間に割って入っていることがわかる。

日( )