2002年5月19日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 日光で17日に採取してきたオオシャグマタケを顕微鏡で覗いてみた。例によって切片(a)を切り出して、胞子嚢(b)、側糸(c)、胞子(d)などを観察した。側糸の中には色素を帯びた粒子のようなものが多数含まれている。胞子は十分に熟していたので、表面に焦点(e)を合わせると模様が見えた。胞子がかなり大きいので、輪郭に焦点(f)をあわせても模様は全く見えない。(e, f)の胞子は一つが未熟のようだったが、全般的には十分に熟していた。自宅で熟させた個体では、胞子表面の模様はできてこなかったが、天然に熟したものでは表面模様は明瞭だった。胞子サイズなどは図鑑にあるとおりの範囲にあった。

 
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 秋ヶ瀬公園で早朝採取したアラゲカワキタケをミクロの目でみた。ヒダ切片を低倍率(g)でみただけでも顕著なシスチジアがみえる。倍率をあげるとシスチジア(h)はさらに明瞭になった。もっと倍率を上げると(i)厚膜シスチジアの様子がよくわかる 。縁シスチジアも側シスチジアも同じような形をしている。胞子(j)はとても小さくてな かなかはっきり見えない。明暗がはっきりしないのでメルツァー液で染めてみたら(k)か なりはっきり形を捉えることができたが、こんどは撮影がうまく行かなかった。カメラのせいにはしたくないが、こう不調続きだといい加減いやになる。しかし概ね胞子のサイズはわかるだろう。ここでのスケールの1目盛りは1μmだ。新鮮な若々しい個体から採った胞子紋(l)はたっぷり胞子が堆積してクリーム色をしていた。一方、スライドグラスに採った胞子紋からは、その色はわかりにくかった。胞子紋の色を見ようと思えばやはり白い紙の上にとったものが一番だ。

日( )