2002年6月7日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 昨日夕方、科博の菌学講座が終わってから新大久保駅近くで落枝からクロコブタケの仲間(Hypoxylon sp.)(a)らしき塊を採取して帰った。採取時、固い塊を半分に切ったが同心円状の紋がないので、チャコブタケの仲間(Daldinia sp.)ではなさそうだ。
 早朝この菌の堅い子座をカッターで削ると、子嚢殻が並んで見えた(b)。固い子座の塊から削りだした面もほとんど真っ黒でとてもわかりにくい。早速KOHで前処理をしてから、水で洗い出したのちメルツァー液で染めた。KOHでマウントしたときに色素の抽出がほとんどなかった。クロコブタケの仲間だったら、必ず色素がしみ出すはずだ。
 疑いつつプレパラートを覗くと、子嚢の先端がリング状に青く染まる(c, d)のが観察できた。しかし染まり方がとても弱い。うすうす感づいてはいたのだが、メルツァー液がかなり老化しているようだ。本来ならもっと鮮やかな青色に染まるはずだ。胞子(e)は一つの子嚢に8つはいっており、表面に発芽スリットがみられる。サイズは8〜10×3.5〜4.5μm。クロコブタケかどうかはこの観察だけではわからない。
 この仲間は、以前は単に固くて黒い木質・炭質の塊にしか見えずあまり関心を持てなかった種だったが、にわかに興味深いきのこになってきた。

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