2002年6月22日()
[その2]
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 見沼で採取したミドリスギタケと思われるきのこ(6/21 a〜c)の観察結果からの抜粋だ。いつものようにヒダ切片(a)を切り出した。ヒダの組織は平行型(b)、縁を拡大(c)してみると色素を帯びた組織や担子器(d)がみえる。組織のあちこちにはクランプ(e)がある。胞子(f)は表面がザラザラしている(スケールは1目盛りが1μm)。縁シスチジア(g)はボーリングのピンのような形をしている。ヒダにKOHをたらすと次第に黒変(h)していった。柄は若いうちは中実(i)でしっかりしてる。老菌になるとやや中空気味(i)になり内部は綿のように見える組織で充満しており、根本は緑色を帯びていた。また早期剥落性のツバ表面は明るい橙色、胞子紋(j)は褐色をしている。

 
(ma)
(ma)
(mb)
(mb)
(mc)
(mc)
(md)
(md)
(me)
(me)
(mf)
(mf)
(mg)
(mg)
(mh)
(mh)
(mi)
(mi)
(mj)
(mj)
 次に、ウラベニガサ属らしいきのこ(6/20 d〜f)だが、胞子紋(ma)は明黄褐色をしている。ヒダ切片(mb)を切り出して見るが縁シスチジアはみあたらない。ヒダ実質の組織を見るため倍率を上げると(mc〜md)、逆散開型をしていた。この時点でウラベニガサ属だろうと思った。念のために別の個体から切り出したヒダ(me)を見ても同じく逆散開型をしていた。側シスチジア(mf)は薄膜で数はさほど多くない。担子器(mg)は思いのほか細長い。カサの表面は繊維細胞状(mh, mi)でクランプを持っている。 胞子は球形(mj)[スケールは1目盛りが1μm]をしている。これらから判断するとHispidoderma節のきのこではあるまいか。なお、傘と柄にはシスチジアはみつからなかった。

日( )