2002年7月19日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 7/18(k, l)のハラタケ科のきのこを最初に見たとき「何だろう?」というのが正直なところだった。帰宅してビールを飲みながら試薬反応・検鏡をした結果、アカキツネガサの白っぽいタイプだろう、と判断した。その折りの簡易顕微鏡による観察結果が(a)〜(c)だ。(a)は縁シスチジア、(b)は担子器、(c)は胞子でスケールは1目盛りが1μmだ。
 雨の公園ではアセタケの仲間がいろいろ出ていたが、コナラ・クヌギ林で目に付いたのが(d〜g)だった。一見してキヌハダトマヤタケのように見えたのだが、引っこ抜いてみると柄の根元にふくらみは全くない。ヒダ切片(h)をあちこちから切り出して、それを拡大して(i)さんざん探すも側シスチジアはない。縁シスチジア(j)は薄膜でどのヒダにもある。担子器(k)には4つの担子柄がある。胞子(l)も特に特徴はない。傘表皮、柄の上部・中部・下部の表皮などを検鏡したところどうやらザラツキトマヤタケ節のアセタケにはまちがいない。多分これは、オオキヌハダトマヤタケだろう。
 毎度感じさせられることだが、アセタケの仲間は外見だけでは同定できない。昔、きのこ観察会の場で「これはオオキヌハダトマヤタケです、その特徴は.....。これはキヌハダニセトマヤタケだと思います。特徴としては....があります、などと現物を高く掲げて参加者に説明したことがあるが、今考えると恥ずかしい限りだ。きのこは微生物である。微生物を観察するには、顕微鏡による観察を抜きには語れない。

日( )