2002年12月5日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 早朝、昨日採取したクズヒトヨタケを顕微鏡で覗いた。検鏡に使ったクズヒトヨタケは採取袋に入れたまま冷蔵庫の野菜籠に放り込んでおいたものだ。液化こそしないものの、かなりしなってしまい大部分がペシャンコになっていた。このためヒダ1枚を取り出すのにえらく難儀してしまった。やはりヒトヨタケ属の検鏡は採取してすぐにやらねばならない。
 胞子(a)はいつ見ても面白い形をしている。角の丸い五角形といったところだ。採取から1日経過しているため、明瞭なヒダ切片は作れなかった。担子器(b)が並んで見えたので、それらのうちから根元まで見えるものを探した(c)。担子器はヒダ表面にビッシリと分布している。上から見ると担子柄の先端に均等に4つの胞子が付いている(d)。この状態で見たときの胞子は特徴的な五角形の姿ではなく、卵形に近い楕円形をしている。
 当然のことだが、胞子を縦から見た場合と横から見た場合とでは、そのサイズばかりか形もかなり違う。(a)で小振りの楕円形に見える胞子などはそれだろう。長さ(L)、幅(W)、縦横比(Q=L/W)等を計測する場合には、こういった点への配慮も必要だろう。

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