2003年5月19日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 昨日も川崎市の緑地ではヒロハシデチチタケの大きな個体が多数みられた。15日に採取しているので持ち帰らなかったが、この日のものについて、検鏡結果の映像を掲げておくことにした。胞子紋をそのまま水などを使わず覗いてみると、小さな毛糸球のような形の胞子が見える(a)。メルツァー液を注ぎ胞子表面あたりに焦点をすえると、いかにもチチタケ属といった模様が見えてくる(b)。輪郭部に焦点をすえると表面模様が隆起していることがわかる(c)。
 ヒダ切片を切り出すと低倍率でも細長い側シスチジアが多数見える(d)。一段倍率を上げてみると細長いシスチジアの形がはっきりする(e)。これはかなり大きいので、1000倍にすると視野に入りきらない。(f)と(g)は一本のシスチジアの上半分と下半物(基部)を別々に撮影したものだ。同一倍率でシスチジアのすぐ脇の担子器をみた(h)。傘表皮の組織(i)のところどころには、まるで剛毛体のような傘シスチジア(j)があった。
 なお、(f),(g),(i)はフロキシンで染めた。この仲間は胞子表面に大きな特徴をもっているので、メルツァーで上手く染色して微妙な模様を観察することがポイントだ。やり方をマズると同じメルツァーを使っても明瞭に捉えられない。染色に失敗するとはっきりしない。

日( )