2003年6月24日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 梅雨だというのに昨日も夕方わずかの雨が降ったのみでお湿りとは程遠いので、今朝は外出せずに、先に採取したマユハキタケの胞子を覗いてみた。胞子を水でマウントすると、水をはじいて団子状態になってしまう。ホコリタケやヒメツチグリなどもそうだが、こういった仲間はエタノールでマウントすると上手くいく。ただし、観察は手際よくやらないとすぐに蒸発してしまう。エタノールは純粋なものより、市販の消毒用アルコールがよい。これだと70〜85%のエタノールだ。
 スライドグラスに胞子を落とし、そこにエタノールを注いだ。柔らかくて細い柄付き針で軽くかき回すと胞子が均一に広がってくれた。小瓶やフィルムケースなどにエタノールを入れ、そこに胞子を落としてからキャップを閉め、軽くシェイクするのもよい。胞子でやや着色された液をスライドグラスに滴下してカバーグラスをかぶせるとできあがりだ。
 a, b は焦点位置を変えて撮影したものだ。隆起した条線が胞子をグルリと取り巻いている。c は、5分ほど放置してしまったためにアルコールがすっかり蒸発してドライマウント状態となってしまったものだ。小さな毛糸球のように見えるが、こうなると表面模様や、胞子サイズははっきりしない。d は刷毛の部分を構成する菌糸束をばらしたもの。胞子を採取した個体は完熟成菌だったので、すでに子嚢は完璧に消失してしまっていた。幼菌か若い成菌でないと球形をした子嚢の姿をみるのは難しい。最近採取したサンプルには若い子実体がなかった。

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