2003年7月23日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 北海道上川町の佐藤清吉さんからタマムクエタケを送っていただいた(a, b)。一つの菌核から2つの子実体がでている。傘が一つ欠けているのは、佐藤さんが検鏡に使ったからだろう。珍しいきのこではないのだが、ずいぶん長いこと採取していない。今年も何度か出会ったが、掘り出して菌核を確認した時点で納得し、持ち帰ることはなかった。タマムクエタケは顕微鏡で覗かなくても楽に同定できるきのこである。そのためふだんほとんど持ち帰ることはない。
 このきのこは目視だけでも楽に同定できるばかりではなく、顕微鏡で覗くととても楽しい姿をみせてくれる。やや乾燥気味の個体からヒダを切り出した(c)。ヒダの先端には縁シスチジア(d, g)が多数見える。これは特に変わった形をしているわけではない。
 しかし、側をみると面白い形の側シスチジアが見える(e, f)。手のひらやらじゃんけんのチョキ(はさみ)を連想させる。これはヒダの側(e)から付け根の部分(f)まで多数みられる。「顕微鏡できのこを覗いてよかった」と思わせてくれる。見ているだけで楽しくなるので、いくつかをランダムに撮影してみた(h〜k)。胞子(l)はいかにもフミヅキタケ属といった形と大きさだ。

日( )