2003年9月21日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 首都圏でも昨日からようやく雨が降り出した。気温も急激に下がりいよいよ秋を思わせる陽気になってきた。今朝は自宅近くの切り株からでていたカワラタケ(a, b)の菌糸をほぐして観察した。
 最初薄切り片を作り5%KOHでマウントしてそのまま見た(c)。いったいどれが原菌糸で、どれが骨格菌糸なのやらほとんどわからない。カバーグラスの脇からフロキシンを注ぐと原菌糸だけが赤紫色にそまった(d)。しかしクランプの有無などはよくわからない。
 サンプルを顕微鏡からはずして、テーブルの上に置き、消しゴムで何回かこすって菌糸をほぐした。再び顕微鏡にかけるとクランプを持った原菌糸が明瞭に捉えられた(e)。骨格菌糸、結合菌糸もよくわかる。以上はすべて対物40倍でみていたが、最後に油浸100倍にしてクランプを高倍率で確認した(f)。菌糸の太さの割には大きなクランプだ。
 このところ軟質菌がほとんど見られなかったので、ちょうどよい機会と思って、早朝の時間は硬質菌の観察と検索表をたどる練習ばかりしていた。このところ持ち帰った硬質菌から2センチ四方くらいの小片を切り出し番号をつけた袋に容れて保存しておいた。これを使って菌糸型・ヨウ素反応・シスチジアなどを観察して、顕微鏡的所見だけから属レベルまで落とす練習をした。状況証拠から追い詰めていく作業はパズルを解くような味わいがある。

日( )