2003年9月24日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 コウボウフデについて、いわき市の佐藤 浩氏によって明らかにされた事実の一端を記しておこう。(a)〜(f)の写真は氏によって9月21日に撮影されたものの一部である。(b)の写真をよく見ると前年度に発生した個体もみえる。切断された幼菌の内部は緑褐色と白色の霜降り模様をしている。(e)の顕微鏡写真は昨年私のみたものとよく似ている。しかし、視野の右下に見えている歯車のような組織は見えなかった。
 昨年10月14日に掘り出した幼菌が(g)である。当初は切断面に霜降り模様が見えた。検鏡すると、薄膜で隔壁を持った組織が頻繁に分岐していた。ちょうど佐藤氏の写真(e)のような姿であった。そして、組織の途中から円筒状ないし嚢状の組織がでて、その先端やら途中に胞子がついているように見えた。しかし、10時間くらい後には、内部はすっかり緑褐色となり(h)、もはやそういった姿は全く見られなくなってしまった。そのために撮影するチャンスも失ってしまった。
 さて、今回佐藤氏にいただいた幼菌(i, j)を帰宅後直ちに検鏡した結果の一部を提示した(k, l)。胞子の形こそかなり違うが、マユハキタケを連想させるような光景であった。袋の中には8つの胞子が入っている。ちなみに、昨年現地で採取されたコウボウフデは、栃木県で毎年発生するものと同様に、環紋弾糸(elater)を持っていないタイプのものである。

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