2003年10月19日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 福島県のコナラ林でホテイタケ属のきのこを見つけた(a)。柄の下部が膨大していることからゴンゲンタケではなさそうだ。発生地に針葉樹はほとんどないから、ホテイタケの線も薄くなる。
 水でマウントしてみたところ白黒で濃淡がはっきりしないため、とても見にくく目が疲れる(b)。直ちにメルツァーを加えてみると、子嚢が非アミロイドであることは分かるが、あまり見やすくはならなかった。そこでフロキシンを使ってプレパラートを作り直した(c)。
 側糸は糸状で先端は膨大していない。全体に屈曲したものが多い(d)。胞子は細長く糸状であり、大きさのばらつきが大きい。よく見ると胞子の中央部がくびれて細くなっている(e)。写真からはやや分かりにくいが、焦点位置をずらしていくと中央部の狭窄が明瞭にわかる。さらに、やや成熟したと思われる胞子からは、類楕円形をした二次胞子らしきものがぶら下がっている(f)。これらから、オオホテイタケとしてよいのだろう。
 
 
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 同じ森でセンボンキツネノサカズキをみることができた(g, h)。一部を切り出すと(i)外側の白い毛は厚膜で隔壁を持った組織からなっている(j)。胞子は表面が平滑で大きな油球をもっている(k)。メルツァー液で染めてもアミロイド反応はマイナスである(l)。

日( )