2004年4月2日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
 市原市民の森(3/28)の休耕田にナヨタケ属のきのこが多数発生していた(a〜d)。このところいろいろな野暮用のためにこのサンプルはタッパウエアに入れたまま冷蔵庫に放置してあった。胞子紋採取もうっかり一晩放置したために、スライドグラスが黒々となっていた(e)。こちらは保管用にして、カバーグラスに採ったものを検鏡用に使った。
 傘径2〜3.5cm、湿時条線があり、乾くと白くなる(b)。中高の頭部は湿時にも乾燥時にも周りとは違った色を呈している。ヒダはほぼ直生(d)で、幅4.5〜5.5mm。柄はもろく中空で、表面は平滑。基部に近いあたりは黄色味を帯びる。幼菌は釣り鐘状で、傘の縁に被膜がみられる。
 とても脆くてヒダの切り出しに難儀した(f)。縁シスチジアは嚢状、側シスチジアはフラスコ形から紡錘形(g, h)。両シスチジアとも疎らにしか見られない。担子器の基部にはクランプがある(i)。水でマウントした胞子は明褐色だが(j)、濃硫酸でマウントすると膨大してすみれ色に退色した(k)。コナヨタケあるいはその近縁種の線も否定できないが、春に肥沃な土壌に出ることから、ここではアシナガイタチタケとして扱っておこう。

日( )