2004年5月11日(火)
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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 顕微鏡の焦点深度には、客観的焦点深度主観的焦点深度があるとされる。客観的焦点深度とはレンズのみの焦点深度をいう。主観的焦点深度とは人間のもつ目の調節機能によって付加される焦点深度をいい、人により年齢により異なる。いずれにせよ、肉眼で見るときにはこの両者の焦点深度の和でみているので、かなりの幅を明瞭に捉えることができる。

 先日(5/7)採取したウメウスフジフウセンタケの胞子紋から胞子を水でマウントして覗いてみた。微動ネジを操作し、合焦位置をほぼ1μmずつ下げながら、胞子表面から輪郭部周辺までを順に撮影してみた(a〜e)。この撮影データは客観的焦点深度のみを反映している。肉眼で見ているときには、それぞれはるかに鮮明に見えていたことを記しておこう。
 油浸対物100倍レンズを使ってみたときの客観的焦点深度は0.2〜0.3μであるが、肉眼で見ている場合にはこれに主観的焦点深度が加わり0.4〜0.7μmくらいの範囲まで焦点が合う。だから、肉眼でかなりの範囲に明瞭に焦点が合って見えるのに、撮影データを見るとそれほどの明瞭さがみられないのは、客観的焦点深度が正直に表現されてしまうからだ。

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