2004年6月15日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 今朝は、先日川越で採取したツエタケの仲間(a, b)を検鏡した。傘表皮には全く滑りがなく、わずかに微毛があって放射状のシワがみられる。柄の表面にも細かな毛がわずかにみられる。ツエタケ属には間違いないが、ツエタケとは明らかに違う。現地で見たときビロードツエタケのようにも思えるが、傘表面の感触が異なるように感じていた。
 採取して直ちに胞子紋だけを採取し、後はそのまま紙袋に容れたまま冷蔵庫に放り込んでおいた。今朝取り出してみると半乾燥状態ですっかり縮んでいた。ヒダもクシャクシャである。胞子は12〜15x10〜12μmほどあり非アミロイド(c, d)。ヒダを切り出してKOHでマウントした(e)。側シスチジアが多数あり、紡錘形で先端が丸くなっている(f)。フロキシンで染めてみた(g)。この(g)から側シスチジアだけを取り出してみた(h)。油浸100倍で見ると側シスチジアはとても大きくて、視野に入りきらなかった。(i)と(j)とは同じシスチジアの基部と頭部である。傘表皮は子実層状でその中から長い組織が多数伸び上がっているのが見える(k, l)。
 肉眼的・顕微鏡的特徴のいずれも、典型的な姿からはやや遠いが、ビロードツエタケとしてもよさそうだ。

日( )