2004年7月21日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 先日(7/12)富士山で採取したアセタケ属のきのこ(a, b)をやっと見ることができた。PCのトラブルなども重なってなかなか順番が回ってこなかった。冷蔵庫の中に放置したままになっている内にやや乾燥気味になっており、ヒダ切片(c)切り出しに少し手こずった。胞子の姿や側シスチジアの形はコブアセタケのものによく似ている(b)。
 切り出したヒダ切片をフロキシンで染めて先端部を見た(d)。厚膜で先端部に結晶を帯びたシスチジアと薄膜棍棒状のシスチジアが混在している。一方、側シスチジアは先端部に結晶を帯びた厚膜のものばかりである(e〜g)。
 担子器には柄が2つついたものが多く、4つの柄を持ったものは見つからなかった(h, i)。傘表皮(j)にも柄の表面(k)にもシスチジアは見あたらない。また、ヒダ実質部や傘肉部の組織にはクランプは見つからなかった(l)。図鑑などにはない不明種のようである。
 今回採取したのは一個体。傘中央部や縁部、柄の数ヶ所を切り刻んでシスチジアの確認を行ったので形がすっかり崩れてしまった。北海道の小林孝人博士に送るのは中止した。

日( )