2004年10月19日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 武蔵丘陵森林公園ではいくつもの気になるきのこに出会った。採取したものはとりあえずそのまま冷蔵庫の野菜ケースにいれた。そのうちの一つを今朝は調べてみた。キツネノカラカサ属(Lepiota)の特異な姿をしたきのこ(a)は、森林公園に限らず埼玉県ではしばしば見られる。裏面をみるとヒダの縁には被膜がのこり、柄はまるで古びた毛糸のソックスをはいたようだ(b)。ツバがあるかといえばあるということになるのだろう。
 現地で見たとき、クリイロカラカサタケにもワタカラカサタケにも似ているがやはり違う。どちらかといえば、昨年、糟谷大河氏がトゲカラカサタケ Lepiota calcicola Knudsen として報告したきのこによく似ている(Kasuya and Knudsen 2003, Mycoscience 44: 327-329)。てっきりトゲカラカサタケだろうと思っていた。外見からはトゲカラカサタケとしてもよさそうにみえる。
 胞子紋は白色、今朝それを覗いてみた。トゲカラカサタケとは胞子の形がちがう(c)。メルツァーを加えてみた。偽アミロイドである(d)。ヒダを切り出してみる(e)。縁にも側にもシスチジアはなく、ひだ実質は並行型である(f)。フロキシンで染めてみたり(g)、何枚ものヒダを切り出しては先端を確認したが縁シスチジアはみられない(h)。担子器(i, j)を確認したり、傘上皮を覗いたりしている内に時間切れとなってしまった。トゲカラカサタケではなさそうだ。

日( )