2004年10月21日(木)
 
10月19日のLepiota
 
 10月19日の雑記でとりあげたキツネノカラカサ属(Lepiota)について、何人かの方から貴重なご意見をいただいた。トゲカラカサタケなどといいう和名はない、といったものから、具体的な種名を指摘したものまであった。ありがとうございます。
 トゲカラカサタケという和名は糟谷大河氏による。当初論文ではトゲミノカラカサタケという新称を提案されたようだが、この和名は誤解を招きかねない。和名中に「ミノ=実の」とあれば、それは胞子の形を特徴づけたものとされる。名称変更については、いずれ活字媒体で経緯を語られることだろう (きのこのねどこ 「ささやき 10月19日」)。
 丸山厚吉氏のサイトWild Mushrooms from TokyoLepiota jacobi ワタゲオニタケ(仮)として取り上げられたものが実によく似ている。胞子の姿形もほぼ同一である。これは、スイスのきのこ図鑑(vol.4, 231)に掲載されているLepiota langeiと同一とのことである。図鑑によれば、胞子紋の色はわずかに淡黄色味を帯び、担子器の基部にはクランプ(basal clamp)がある。観察結果と同じである。写真はあまり似ているとは言い難いが、記述を読むと、ほぼ間違いない。

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