2005年3月3日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 武蔵丘陵森林公園を歩いてきた。森林全体がカラカラに乾燥している。見える範囲のきのこといえば、カワラタケ、エゴノキタケ、クロコブタケなど硬いばかり。キクラゲ、エノキタケすらない。水の無い沢スジを歩き落ち葉をどけてみると、小さな黄色いチャワンタケがでてきた(a)。3〜8mmほどの小さなものばかりである。
 地上生で柄はなく、変色性は全くない。大部分は径2mm以下の小さな未熟個体ばかりである。8mmほどの個体を一つ持ち帰ったので、それを切り出した(b)。色素を持つのは子実層面付近だけであり、托髄層は絡み合い菌組織をなしている。
 子実層は、顆粒状のカロチノイド系色素をもった側糸、球形の胞子を8つ持った子嚢からなる(c)。メルツァーによるアミロイド反応はなく、無色透明だった胞子が暗緑褐色になり、側糸の色素顆粒が変色する(d)。再度切片を作り3%KOHでマウントしてフロキシンを加えてみた(e, f)。側糸と胞子の染まり方がすさまじい。
 子嚢付近と胞子そのものを確認できるよう、メルツァー(g, i)、フロキシン(h, j)で染めた状態でみた。観察に使用した個体が十分熟していたのかどうかははっきりしない。しかし、カバーグラスに1時間ほど放置しておいたところ、胞子紋を作っているので、未熟個体とは考えにくい。不明種である。

日( )