2005年5月5日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
←オオシャグマ
シャグマ→ (e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
 3日に日光から未熟状態のオオシャグマタケとシャグマアミガサを持ち帰った。オオシャグマ(a左)は全くの未熟状態であるが、シャグマアミガサ(a右)は完熟までかなり近い。そこで、自宅食卓上に置いて、熟すまで待ってみることにした。乾燥しきってしまわないように、濡らしたティッシュペーパーの上に置いた(a)。
 今日現在の状態を確認するために、それぞれの頭部からごく微量の子実層を切り出した。両者とも最初に水で封入し、それを3%KOHで置き換えてみた。すると、オオシャグマは明るい黄色味を増す(b→c)。一方、シャグマアミガサは赤色味が増す(e→f)。しかし、子実体の頭部に5%KOHをふりかけても、色の変化は感じられない。
 オオシャグマの子実層は、側糸ばかりで子嚢はどこにも見つからない(d)。一方、シャグマでは、側糸の他に、胞子が未完成の子嚢(g)が目立つ。しかし、中には胞子をもった子嚢(h)もある。胞子はまだ十分に成熟していない(i)。
 なお、両者とも完熟すると、多くは頭部がやや粉っぽくなる(cf. 完熟オオシャグマタケ完熟シャグマアミガサタケの一例)。一般的に子嚢菌類では、未熟状態では胞子も小さく表面模様もはっきりしない。同定には完熟個体が必要である。
 残ったシャグマアミガサは酒の肴にした。茹でこぼして、湯葉と一緒にワサビ醤油で味わった。美味い。ただ、シャグマアミガサは死を招く猛毒菌なので、ゆめゆめ食べようなどとは考えないことだ(「シャグマアミガサタケ試食記」(横山 元氏))。

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