2005年5月24日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 先日茨城県笠間市で採取してきた虫草の子実体頭部からルーペを覗いて1mm角ほど切りだした。最小限の損傷で検鏡試料を得るのは、標本庫から借りた標本の扱いでは常識だ。そのつもりで切片を切り出せば、虫草の場合でも、元の姿をほとんど傷つけずにすむ。
 子嚢果の先端は表面にわずかに突出している(a)。子実体の柄は円柱形でそのまま宿主に繋がっている。アシブトアリタケでは柄の基部は根状に分岐して宿主に繋がるとある。
 子嚢果は斜埋生型をしている(b)。子嚢は着色しないとコントラストが弱くてはっきりしない(c)。そこで安易にフロキシンで染めてみた(d)。子嚢先端の亀頭状の部分はどの虫草にもほぼ共通する形をしていて、分類上はあまり役にたたない。コットンブルーで染めてみると外部へ通じる細い通路がみえた(e)。ライターで熱すると、子嚢先端が破れ、一次胞子がバラバラになった(f)。マルミアリタケとしてよいのだろう。

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