2005年8月5日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 富士山から持ち帰ったバライロウラベニイロガワリは、帰宅後直ちに胞子、子実層托実質、シスチジア、柄表皮、傘表皮などを検鏡した。ほかにもいくつも同定しなくてはならなかったので、撮影のゆとりはなかった。幸い冷蔵庫の野菜ケースにまだひとつ残っていたので、これを今朝は撮影した。例によって小さな白いウジ虫がかなり蠢いていた。
 胞子紋をとるべくカバーグラスの上に傘を伏せて1時間ほど置いたのだが、落ちたのは白いウジ虫だけだった。やむなく孔口部の一部に付着している胞子を撮った(a)。子実層托実質を見るため柄に平行に管孔部を切り出した。やや散開気味の構造がみられる(b)。孔口付近をみると縁シスチジアが無数に見える(c)。フロキシンで染めてバラしてみた(d)。
 次に、柄に垂直に切って管孔部をみると担子器とともに所々に側シスチジアが見える(e)。軽く押し潰してみると縁シスチジアとほぼ同じ形でやや大きめであった(f)。柄の表面には濃赤色のシスチジアが多数みられる。傘表皮の最上部は菌糸状の組織が這っている。担子器の基部にクランプなどはない。

日( )
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