2005年8月24日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 日光から持ち帰ったアケボノアワタケを検鏡した。肉は白色で、柄の基部は黄色みを帯びている。切断したり傷つけても変色はしない(a)。胞子はニガイグチ属によくある類紡錘型(b)。最初に管孔部を縦切りにした(c)。管孔部実質は散開気味に組織が平行に走っている(d)。
 次に管孔部を横切りにした(e)。生のままで切ったので薄切りはできなかった。倍率を上げても側シスチジアらしきものは見えない(f)。縁シスチジアは発達している(g)。紡錘形やら棍棒状のものがある(h, i)。担子器の基部にはほとんどクランプは見られない(j, k)。

 担子器が胞子を射出する瞬間を見たいと思って、管孔部を薄く横切りにした。マウント液は何も使わず、そのままスライドグラス上に置いてそのまま観察した(l)。水でマウントしてカバーグラスをかけてしまうと、自然な射出は行われない。
 胞子のくちばし状突起(hilar appendix)基部付近にできるブラーの小滴(Buller's drop)が膨潤する様を確認したいと思った。胞子を4個つけた担子器を選んだ(l)。数十秒おきに覗いてみたが、10分くらい経過したとき、担子器が残りひとつになっていた。更に10分くらいのち、もはや担子器はひとつもついていなかった。射出されたとおぼしき胞子はやや離れた位置にあった。
 顕微鏡から離れている時に胞子の射出が行われてしまったのだろう。今回も、胞子射出の瞬間は見られなかった。ブラーの小滴も確認できなかった。

日( )
HOME