2005年9月21日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 9月9日に青森県十二湖のブナ帯でウラムラサキシメジを見た(a〜c)。千葉や都下の公園、スギ植林地ではしばしば見かけるが、ブナ林で見たのは初めてだった。生状態で1週間以上もたすのは難しいので、その夜宿で直ちに乾燥した。乾燥標本というものは、一般に元の面影はほとんどないことが多い。乾燥したウラムラサキシメジも例外ではない。
 胞子紋は現地で白い紙とカバーグラスに直接採った。ヒダは紫色でも胞子紋は白色である。まずは水も何も使わず覗いてみた(d)。十字形をしていることが明瞭に分かる。水でマウントするとちょっと分かりにくい(e)。非アミロイド(f)。フロキシンで染めると形や内部が明瞭になった(g)。この胞子の場合、ドライマウントがもっとも形を明確に把握できる。
 乾燥標本からきれいなヒダ切片を切り出すのは難しい。とりあえず切り出した。ヒダ実質は並列型で子実層には薄紫色の側シスチジアが見える(h, i)。担子器やシスチジアのサイズを計測するために、あらためてフロキシンで染め、KOHでマウントした後やや時間をおいてから軽く押し潰した(j, k)。縁シスチジアも側シスチジアも同じような形でサイズも似通っている。
 カラカラに乾いた傘表皮を切り出してみた(l)。傘表皮やヒダ切片は生状態の時に観察するのがもっとも明瞭に分かる。顕微鏡による観察は、できることならばなるべく生状態のときに行なうと良い状態のプレパラートを作成できる。

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